2009年7月27日から口内炎治療のOTC医薬品「ケナログ口腔用軟膏0.1%」(第1類医薬品)が発売されており、2012年1月に「第1類医薬品」から「指定第2類医薬品」にリスク区分が変更されたことに合わせ、商品名も「ケナログA口腔用軟膏」に変更されて、全国の薬局・薬店・ドラッグストアなどで新発売しました。
「ケナログA」は、優れた抗炎症作用をもつトリアムシノロンアセトニド(ステロイド成分)を配合しているため、口の中の炎症を抑え、口内炎の痛みやはれを鎮めてくれます。
実際に使用した感想(効果)や配合されている成分など、「ケナログA」について解説していきます。
【口内炎治療薬】ケナログA
「ケナログA」は、トリアムシノロンアセトニド(副腎皮質ステロイド)の抗炎症作用により、口腔内の炎症を抑え、口内炎の痛みなどを改善します。
通常、慢性剥離性歯肉炎、びらんまたは潰瘍を伴う難治性口内炎および舌炎の治療に用いられます。
効能・効果
[こんな症状に]
- 口内炎:口の中の粘膜が赤くはれ、熱いもの、すっぱいものを口に入れると痛みます。
- 舌炎:舌が炎症をおこしてしみます。
用法・用量
1日1~数回、適量を患部に塗布する。
成分・分量(1g中)・働き
トリアムシノロンアセトニド:1.0mg
患部の炎症を鎮め、口内炎・舌炎を改善する。
添加物
ゼラチン、カルメロースナトリウム、プルラン、ゲル化炭化水素
剤型・形状
口腔用軟膏剤
包装単位・メーカー希望小売価格
5g/900円(税抜)
製造販売元
ブリストル・マイヤーズ株式会社
リスク区分・商品名の変更
口内炎治療薬「第1類医薬品 ケナログ口腔用軟膏0.1%」のリスク区分が「第1類医薬品」から「指定第2類医薬品」に変更されたことに合わせ、商品名を「第1類医薬品 ケナログ口腔用軟膏0.1%」から 「指定第2類医薬品 ケナログA口腔用軟膏」に変更されました。
ケナログAのつけ方
- まず手を洗い指先を清潔にしましょう。
- お口の中をすすいできれいにしてください。
- ティッシュペーパーやガーゼなどで軽く押えるようにして患部のまわりの水分や唾液をぬぐってください。(患部が乾きすぎるとケナログがつきにくくなりますので注意してください。)
- 指先の水分や唾液をティッシュペーパーやガーゼなどで拭き取り、患部をおおうだけの量のケナログを指先にとります。(最初にチューブをあけるときは、キャップの反対側のとがった先を使います。)
- (鏡などをみて)患部のまわりから、静かにおおうようにつけます。つけた後、舌でさぐらないようにし、しばらくは食べもの・飲みものをひかえましょう。(従って、食後やおやすみ前につけるのがよいでしょう。)
- チューブの口やその周辺に付着したケナログをティッシュペーパーやガーゼなどできれいに拭き取ったあと、キャップをしっかり閉めてください。(水分や唾液の影響でケナログが固まることがあります。)
ケナログAの強さ(ランク)
ステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬は、薬ごとにそれぞれ強さでランク付けされています。
強さのランクは、5段階(I群~V群)に分類されます。
- I群:strongest/最強
- II群:very strong/非常に強力
- III群:strong/強力
- IV群:medium/中程度
- V群:weak/弱い
「ケナログA」に配合されているトリアムシノロンアセトニドは、IV群に入ります。
使用上の注意
[してはいけないこと]
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用がおこりやすくなります)
1.次の人は使用しないでください
- 感染性の口内炎が疑われる人
- ガーゼなどで擦ると容易に剥がすことのできる白斑が口腔内全体に広がっている人
- 患部に黄色い膿がある人
- 口腔内に米粒大~小豆大の小水疱が多発している人、口腔粘膜以外の口唇、皮膚にも水疱、発疹がある人
- 発熱、食欲不振、全身倦怠感、リンパ節の腫脹などの全身症状がみられる人
2.口腔内に感染を伴っている人
(ステロイド剤の使用により感染症が悪化したとの報告があることから、歯槽膿漏、歯肉炎等の口腔内感染がある部位には使用しないでください。)
3.5日間使用しても症状の改善がみられない人
4.1~2日間使用して症状の悪化がみられる人
[相談すること]
1.次の人は使用前に医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください
- 医師又は歯科医師の治療を受けている人
- 薬などによりアレルギー症状を起こしたことのある人
- 妊婦又は妊娠していると思われる人
- 授乳中の人
- 患部が広範囲にある人
- 高齢者
2.使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので、直ちに使用を中止し、この文書を持って、医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください
[口腔内症状]
- 口腔内に白班(カンジダ感染症が疑われる)
- 患部に黄色い膿(細菌感染症が疑われる)
- 味覚の異常、しびれ感
上記の症状のほか、アレルギー症状(発疹・発赤、かゆみ等)があらわれた場合
3.本剤使用後、次の症状があらわれた場合には、感染症による口内炎や他疾患による口内炎が疑われるので使用を中止し、医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください
[症状]
- 発熱、食欲不振、全身倦怠感
- リンパ節の腫脹、水疱(口腔内以外)
- 発疹・発赤、かゆみ
- 口腔内の患部が広範囲に広がる
- 目の痛み、かすみ目
- 外陰部潰瘍
ケナログAについてのまとめ
「ケナログA」は、ステロイド成分の「トリアムシノロンアセトニド」を配合しているため、痛くてつらい口内炎に優れた効果を発揮してくれます。
元々は、医療用医薬品として口内炎に処方されることが多かった医薬品で、その後「第1類医薬品」となり、市販薬として全国のドラックストアや薬局などで販売されるようになりました。
一般的に販売されている「口内炎治療薬」の多くは、ステロイド成分を配合していないので、炎症を抑える効果が弱く、痛くてつらい口内炎に対しては効果があまり期待できないこともあります。
しかし、処方箋がいらなくなったことで、薬剤師がいる店舗であれば普通に購入ができるようになったこともあり、最強クラスの効き目を持つ「ケナログA」の需要価値が非常に高くなりました。
また、安全性が認可されたことによって、「第1類医薬品」から「指定2類医薬品」にリスク区分が変更されたことで、薬剤師が不在であっても購入できるようになったため、「ケナログA」の人気がさらに高くなりました。
店舗で勤務していても、口内炎治療薬の中で最も問い合わせも多く、圧倒的な人気を誇っていることがわかります。
私も「ケナログA」は前々からよく使用する薬の一つで、痛くてつらい口内炎を直す際に助けてもらっています。
「ケナログA」を口内炎に塗るだけで、しばらく経つと痛みが和らぎ、話すだけでも痛かった口内炎の症状が素早く緩和されるので、特につらい症状の口内炎に対しておすすめです。